ぶどう狩り

研究室のお手軽イベントとして、日曜日にお隣の松戸市にある加藤農園さんにぶどう狩りに行ってきました。お天気にも恵まれ、研究室メンバーとその家族も含めて総勢17名での賑やかな小旅行でした。人気のシャインマスカットに加えて、オリンピックの年に作出されたオリンピアやブラックオリンピアという珍しい品種もあり、味の違いを楽しみつつ美味しくいただきました。最寄駅の横にボーリング場があったのですが、留学生のほとんどはやったことがないということで、午前中にぶどう狩りを終えてランチを食べた後は、予定外のボーリング大会となり図らずも充実した1日となりました。

 

夏のインターンシップ2022

今年2回目のインターンシップ「新種の微生物を見つけよう!遺伝子で紐解く微生物の種多様性」(8月31日~9月2)を実施しました。マネージメント は、PDの高部さんとLabTechの小林さん、デモは院生の藤原さんと黄さんでした。今回は学部2年から4年生まで4名の学生さんが参加してくれました。

地球上の生物の生息環境としては、上限と下限とも言える環境に住む微生物たちにはどんな種類のものがいるのか?ということで、温泉と流氷という対照的な環境から分離した単離株について、未同定だった20株ほどの16SrRNA遺伝子配列決定と分類群の特定を行いました。そのうち新種判別の基準である既知種との相同性97%以下の株は2株でした。それぞれ、次の研究対象として面白そうな菌株コレクションが新たに加わりました。

春のインターンシップ2022

恒例となったインターンシップ「新種の微生物を見つけよう!遺伝子で紐解く微生物の多様性」を4/1, 4/4, 4/5の3日間で実施しました。今回は、参加者全員が首都圏近郊からということで、初の試みとして土日を挟むスケジュールにしてみました。初日の金曜日は、あらかじめこちらで単離した菌株のコロニーピックからDNA抽出、16SrRNA遺伝子をPCR増幅して、最後に電気泳動で増幅を確認するところまででしたが、参加した学生から「自分で取ってきた菌を使いたかったです〜」というリクエストがあり「そこから始めると3日じゃできないんだよね」「でも、とりあえず何か水サンプル持ってきてくれたら、培地に播くところだけやってもらうことはできるけど?」と提案したところ、「それやりたいです!」ということで、滅菌容器を何本か渡しました。週明けの月曜日には、嬉々として週末に川とか海とかいろんな場所で取った水サンプルを持ってきてくれたので、その日はシーケンス反応からシーケンサーにセットするところまでの予定でしたが、追加でサンプルを寒天培地に播種するという最初のステップを体験してもらいました。最終日には、シーケンスデータの解析をして、新種候補を探しました。ということで、スタッフは予定外の培地作りでてんてこ舞いでしたが、週末を挟むスケジュールが功を奏して?超充実の内容となりました。

今回使った菌株は、昨年12月に能登で採取した波の花から、2月のサロマ湖海氷調査で採取した海水から、2月の白鳳丸航海で奄美沖で採取した海水からそれぞれ分離した菌株でした。23株の配列を決めて相同性検索した結果、新種判定の一つの基準となる「既知種との相同性97%以下」の株が2株見つかりました。いずれもフラボバクテリアの系統でした。そのほかにも、有望株として97%台の株が2つありました。相同性94%の株は属レベルで新しい可能性もありますのでさらに詳しく調べることになりそうです。また、97%の株は海藻由来の多糖類の分解菌として分離したものですので、こちらもさら解析されることになりそうです。

環境DNAサンプラーATGC-12の実証試験@大槌センター

文科省プロジェクトで開発中の自動採取・分析装置の実証試験のために3/25-31で大槌センターに行ってきました。開発開始から4年が経過し、現場での実証試験も3回目となりました。今年は、2台体制でこれまでの係船場に加えて地先の海象ブイへの係留も行いました。途中で強風警報が発令されて、夜のサンプリングがキャンセルとなるなどしましたが、概ね予定通り試験を終えることができました。装置の完成度も上がって、複雑な濾過シーケンスも順調にこなすなど、信頼性も高まってきました。自動抽出ユニットも順調に稼働しましたので、次回は自動PCR用のマイクロデバイスを組み込んだ最終版の試験を行う予定です。

令和3年度学位記授与式

今年度の学位記授与式がありました。新領域創成科学研究科(先端生命科学専攻)から中坪さんと黄さんが修士の学位を授与されました。コロナ禍の人数制限で安田講堂に入れなかったので、3人でお祝いのランチに行きました。

研究室送別会@柏の葉公園

キャンパスの隣の柏の葉公園にて、研究室メンバーの送別のランチ会をしました。桜はまだ一分咲きといったところでしたが、気持ちの良い天気で和やかに送別の歓談をすることができました。

新生「白鳳丸」慣熟航海

大幅改造で生まれ変わった「白鳳丸」の慣熟航海に乗船してきました

我が国を代表する研究船「白鳳丸」ですが、建造から30年を経過して老朽化が指摘されてました。新たな白鳳丸の建造はなかなか難しかったのですが、関係者の努力により、エンジン4台の交換やウインチの増設などの大改造が実現しました。これであと20年は活躍してくれそうです。エンジンを全交換したおかげで、スピードと静粛性がアップして、以前にも増して使い勝手が良さそうです。航走速度がアップすると、観測点までの到達時間が短くなり、その分長く滞在して観測することができますので、研究者にとっては重要です。見た目や内装はほとんど変わっていませんが、煙突に排気処理装置が付いたために四角い形となりました。鹿児島を出港して、東シナ海を南下しながら屋久島沖、沖縄本島沖で観測して、太平洋側に抜けてから琉球海溝で観測して再び鹿児島に戻りました。2/20から3/3までおよそ2週間の航海でした。

新生「白鳳丸」
ニスキン採水器から配水作業中
船内の研究で濾過作業
アッパーデッキに設置したエアロゾルサンプラーからフィルターを回収
ゾディアックで海表面マイクロ層のサンプリング
波に揺られながらサンプルが溜まるのを待つこと2時間余

波の花サンプリング2021

今年も波の花サンプリングに行ってきました。

前週までの大雪が嘘のような晴れ続きで、しかも到着の翌日にタイミングよく波の花が取れるという例年になく順調な滑り出しでした。それ以降も波の花が発生して2回のサンプリングができました。今回は、高見研究員のアイデアで、波の花の酵素活性測定やそれらの生産菌の分離も行いました。今後の研究の新たな展開が期待できる良い材料を得ることができました。帰る日から再び雪が降り始めましたので、今回はなんともタイミングの良い調査となりました。

今年の波の花

酵素活性検出のためのプレートアッセイ(写真:高見英人博士)

「かいめい」航海2021

今年も深海海洋保護区の調査のために、「かいめい」に乗船して小笠原諸島の西側に位置する西七島海嶺周辺海域に行ってきました。10/12に横須賀のJAMSTEC岸壁を出港して10/25に戻ってきました。昨年は小笠原で下船しましたが、今回はそうした寄港はなく残念でした。調査の方はとても順調で、良い航海でしたが、すでに全国的に陽性者が激減していた時期だったにも関わらず、コロナ対策として乗船1週間前からホテルで隔離生活を余儀なくされたのには閉口しました。昨年とは違う海山でサンプリングできましたので、さらにデータを加えて解析できそうです。ちなみに、昨年12月に初めて指定された沖合海底域いわゆる深海底の海洋保護区は4箇所、伊豆・小笠原海溝、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部、西七島海嶺、マリアナ海溝北部となっています。

 メタゲノム解析用の堆積物サンプリング

環境省資料より

東京大学グローバルインターンシッププログラム(UGIP)

9月24日(金)本郷キャンパスの鉄門記念講堂にて、ダイキン社と東大の協創活動の一環であるUGIPの成果発表会が開催されました。2年前の夏に視察に行った海外インターンシッププログラムですが、残念ながらコロナ禍のため2年連続で海外に行けず国内での実施となりました。昨年は単発のワークショップのみでしたが、今年は海外駐在社員とのオンラインミーティングなどを交えながら1ヶ月間かけてガッツリとダイキン社から提示された課題に取り組みました。サイエンスと同じく新しい価値を作るという点で、ビジネスの世界ではどうアプローチするのか興味深く勉強させていただきました。実生活との関わりの中でかつ国際情勢を踏まえながら多様な海外市場に対してどうアプローチするのかを考えるのは、サイエンスとは違った面白さがあるなあと感じました。来年は海外でのインターンシップが復活することを願います。余談ですが、高市早苗さんの自民党総裁選挙出馬会見やご著書の中で、実学重視の人材育成活動の好事例として、このプログラムを挙げられていました。日本の大学生の海外志向の弱さが指摘されている中で、同様の取り組みが広く展開されることを期待していますし、今後も微力ながら東京大学の活動をお手伝いできればと思います。