春のインターンシップ2022

恒例となったインターンシップ「新種の微生物を見つけよう!遺伝子で紐解く微生物の多様性」を4/1, 4/4, 4/5の3日間で実施しました。今回は、参加者全員が首都圏近郊からということで、初の試みとして土日を挟むスケジュールにしてみました。初日の金曜日は、あらかじめこちらで単離した菌株のコロニーピックからDNA抽出、16SrRNA遺伝子をPCR増幅して、最後に電気泳動で増幅を確認するところまででしたが、参加した学生から「自分で取ってきた菌を使いたかったです〜」というリクエストがあり「そこから始めると3日じゃできないんだよね」「でも、とりあえず何か水サンプル持ってきてくれたら、培地に播くところだけやってもらうことはできるけど?」と提案したところ、「それやりたいです!」ということで、滅菌容器を何本か渡しました。週明けの月曜日には、嬉々として週末に川とか海とかいろんな場所で取った水サンプルを持ってきてくれたので、その日はシーケンス反応からシーケンサーにセットするところまでの予定でしたが、追加でサンプルを寒天培地に播種するという最初のステップを体験してもらいました。最終日には、シーケンスデータの解析をして、新種候補を探しました。ということで、スタッフは予定外の培地作りでてんてこ舞いでしたが、週末を挟むスケジュールが功を奏して?超充実の内容となりました。

今回使った菌株は、昨年12月に能登で採取した波の花から、2月のサロマ湖海氷調査で採取した海水から、2月の白鳳丸航海で奄美沖で採取した海水からそれぞれ分離した菌株でした。23株の配列を決めて相同性検索した結果、新種判定の一つの基準となる「既知種との相同性97%以下」の株が2株見つかりました。いずれもフラボバクテリアの系統でした。そのほかにも、有望株として97%台の株が2つありました。相同性94%の株は属レベルで新しい可能性もありますのでさらに詳しく調べることになりそうです。また、97%の株は海藻由来の多糖類の分解菌として分離したものですので、こちらもさら解析されることになりそうです。

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