ニースの港に集まった個性豊かな船たち─One Ocean Science Congressより

6月初旬に、南フランス・ニースで開催された科学者会議One Ocean Science Congress(OOSC)に参加してきました。これは国連海洋会議(UNOC3, 6/9–13)の公式サイドイベントとして開催されたもので、科学と政策の架け橋としてCNRS(フランス国立科学研究センター)とIFREMER(フランス海洋開発研究機構)が共同主催し、世界各国の首脳・政府関係者、そして社会全体に向けて、海洋の健全性と未来を示す科学的知見を届けることを目的としたイベントです。

会場はニース港全体を封鎖して設営され、街はこの会議に向けて1年以上にわたって準備を重ねてきたそうです。この会議に合わせて、ニース港には世界中から個性的な船が集結していました。ここではその中から、いくつか印象的だった船たちをご紹介します。

Statsraad Lehmkuhl(ノルウェーの帆船)

美しい帆と装飾を備えたノルウェーの大型帆船。「One Ocean Expedition 2025–2026」の一環として世界を航海中で、海洋教育・環境啓発に活用されているそうです。

Energy Observer(フランス)

世界初の水素と再生可能エネルギーによる自律航行船。太陽光、風力、水素燃料電池を組み合わせ、エネルギー自給を達成しています。こちらも地球一周の航海を通じて、未来の持続可能な技術の可能性を広めているそうです。

Team Maliziaの「SCIENCE」ヨット(ドイツ)

プロセーラーBoris Herrmannが率いるレーシングヨット。「A Race We Must Win」キャンペーンの一環として、科学と教育を融合した取り組みを展開。Max Planck研究所やGEOMARと連携し、航海中に海洋データを収集する船上ラボを備えており、世界の子どもたちへの教育活動「My Ocean Challenge」も展開中とのこと。 

Artexplorer(フランス)

世界初の「海に浮かぶデジタル美術館」。巨大な双胴ヨット。文化財団が主導するプロジェクトで、海と芸術、地域と人をつなぐ旅を展開中。

Baía Farta(アンゴラの研究船)

アンゴラの国家海洋プログラム「Kalunga Programme」に基づき建造された海洋調査船。説明を読むと、ROVも搭載した最新鋭船のようですが、アンゴラの海洋学の現状はどんな感じなんでしょうか。

GAIA BLU(イタリア、研究船)

イタリアの国家研究機関が運用する調査船。最新の観測装置を備え、地中海を中心に海洋科学研究を支援しています。元はドイツの研究船だったみたいですが、最近イタリアに移管されたようです。

白鳳丸インド洋航海に向けて機材積込

7/11に、お台場ライナー埠頭にて、白鳳丸インド洋航海に向けた研究機材の積込作業を行いました。コロナ流行以後は、外国航海が全てキャンセルとなっていましたので、白鳳丸としては実に4年ぶりの外国航海となります。船は8月に東京を出航し、私たちのチームは8月下旬に次の寄港地で乗船します。今回は、2018年のインド洋航海よりも南の海域を中心に海水、SML、エアロゾルの観測をする予定です。

日本地球惑星科学連合年会&海洋学会フットサル

5/26-31の日程で、日本地球惑星科学連合年会(JpGU2024)が幕張メッセで開催、インド洋セッション、大気海洋生物地球化学セッションで発表しました。初日の夜には恒例の海洋学会フットサルが企画され、秋に続いて今回も30名以上が集まり大変盛況でした。

プランクトン・マニフェスト

4月19日に、国連グローバルコンパクト海洋シニアアドバイザーでPlankton Manifestoを主導するVincent Doumeizel氏が来訪、研究所を案内しました。

国連グローバルコンパクトは、企業の営利活動に対し、人権・労働権・環境・腐敗防止に関する基本原則を順守し実践するよう求める国際的なイニシアチブです。そのシニアアドバイザーを務めるVincent Doumeizel氏が、来日するということで、これに合わせて本所の訪問をアレンジし、国際センターの齊藤教授も交えて意見交換をしました。もちろん、はまのお寿司も堪能していただきました。

Doumeizel氏は、グローバルコンパクトの活動として、2020年に海藻の産業利用に関する提言をまとめたSeaweed Manifestoの作成を主導し、現在はPlankton Manifestoの作成を進めており、私もその編纂に協力しています。これらの提言書は、海藻やプランクトンに関連する企業活動の一つの国際的な指針として利用されることが期待されています。

 

お花見

4/11、ちょうど桜が見頃を迎えた柏の葉公園へ、お弁当とブルーシートを持って研究室メンバーでお花見に行きました。隣のプランクトン研究室のお花見に遭遇。皆さん考えることは同じですね。

JOSフットサルin京都

日本海洋学会の非公式イベントとして、第12回JOSフットサル大会が開催されました。今年は前例のない2回開催で、加えて過去おそらく最多の35名が参加するという盛況でした。夜には四条の居酒屋に移動して参加者同士の交流を深めて、大いに盛り上がりました。こうしたスポーツを通じての交流は楽しいですし、研究船などで共同で観測することの多い海洋学の研究活動には、特にプラスの相乗効果をもたらす面が大きいと感じます。

波の花サンプリング2022 in 能登

年末恒例となった波の花サンプリングに行ってきました

今年は大雪に見舞われて、初日のフライトがキャンセルとなり、予定より1日遅れての現地入りとなりました。ただ、寒波で荒れ模様の1週間だったこともあり、波の花の方は4回出かけて3回発生と高確率でサンプリングすることができました。これまでで最も大量の発生現場にも遭遇することができました。

今回は、兼利さんが大量のTEPを含む波の花のバブリンク実験にも挑戦、bubble bursting によるエアロゾル化を再現できるか結果に注目です。

 

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日本地球惑星科学連合2019大会 & “GEOFUT 19”

今週は、幕張メッセで日曜日から木曜日まで開催れていた日本地球惑星科学連合(JpGU)の大会に参加してきました。JpGUは地球惑星科学関係の国内学会が集まって組織された連合組織です。自ら公益団体として春の大会運営やニュースレター、科学雑誌の発行を行っており、学問の細分化で多くの学会組織が乱立する状況でこれらを統合する組織として設立、運営され、大きな成功を収めている例だと思います。

私が所属している日本海洋学会も、2年ほど前から春と秋の2回の年次大会のうち春の大会はJpGUに合流する形で実施しています。私としては、生物系の発表が減ったのは残念なのですが、一方で大気化学やエアロゾルに関するセッションにも参加できるので非常にメリットを感じます。また、大会規模が大きいため、ポスターフロアーで展開されている企業展示やアウトリーチがとても充実しており、お祭り気分で楽しくうろうろできるのも魅力です。

水曜日の夜は、ポスドクの菅井くんと一緒に大会参加者向けのフットサルイベントGEOFUT 19に参加してきました。チームでも個人でも参加できるのですが、昨年と同じく海洋学会チーム「Oceanographers」でエントリーしました。女子とおじさんは得点すると2点なので、張り切って参加しましたが、残念ながらおじさんは得点できませんでした。それでも、女子が得点も含めた大活躍で、最終的には1勝2敗2分で終了しました。終了時間が遅かったので、みんなと一緒に飲みに行けなかったのが残念ですが、楽しいイベントでした。秋は、富山での大会なので、しっかり準備して(もちろん発表の)、サッカー好きメンバーとの再会を期したいと思います。

Gordon Research Conference 2

前回Gordon Research Conferenceについて書きましたが、今回はその続きです。7月1日、日曜日の午後に現地に着いてホテルにチェックインすると、まずは夕食を食べながら参加者同士の顔合わせです。それからオープニングレクチャーに続く初日の講演が始まり夜の9時過ぎに終わりました。時差ボケで、半分寝てましたが….。翌日の月曜日から木曜日までの4日間は、午前中に招待講演とディスカッション、午後は自由時間、夕方4時すぎからポスターセッション、再び招待講演とディスカッション、夜8時から夕食といったハードなスケジュール。自由時間には、ホテルのプールやジムで勝手に過ごしてもいいし、毎日用意されているソーシャルアクティビティに参加することもできました。私は、せっかくの機会なので、近くにあるLuccaという中世の城郭都市へのツアーやワイナリーツアーに参加しました。さらに、これまでにも何度か開催されてきMarine MicrobiologyのGRCでは、水曜日の自由時間にはサッカーをするのが恒例になっているということで、もちろん参加して来ました。160人程度の参加者なので、大した人数は集まらないのではと思いきや、グランドに行ってみたら40人以上集まっていてビックリ。しかも、女性も10人近くいたのには文化の違いを感じました。昼間の炎天下でヘロヘロになりましたが、各国、老若男女入り混じってかなり楽しかったです。イギリス人の女の子がとても上手だったので、「いつもやってるの?」と聞いたら「このくらい普通でしょ」との返事が。

城郭都市ルッカ
ワイナリーツアー
ワイナリーツアー
恒例のエンジョイサッカー

電力中央研究所

6月24日(日)は、千葉県我孫子市にある電力中央研究所、通称電中研にてサッカー部の練習試合でした。電中研は電力会社のお金で運営されている財団法人で、電気事業に関わる様々な研究を行なっている研究所です。発電技術に直接関わる研究だけでなく、発電という巨大インフラ事業が周辺環境に及ぼす影響に関わる研究として、大気や海洋を含む環境科学研究も広く行われているため、私たちの研究所とも関係の深い研究所です。距離的にも近いので、これからも定期的にサッカーを通じて交流していきたいと思います。