白鳳丸KH24-3次航海に向けてペナンへ

8月中旬に東京を出港した白鳳丸が、マレーシアのペナンに到着し、ここからいよいよ研究者が乗船します。私は23日夜に羽田を出発し、クアラルンプール経由で24日にペナン空港に到着、そのままジョージタウンの客船埠頭に向かい、2日前から停泊中の白鳳丸に乗船しました。出港は2日後でしたので、それまで街を見聞する時間がありました。客船埠頭は客船がいなかったので閑散としたものでしたが、少し歩くと繁華街があり、たくさんの観光客で賑わっていました。ジョージタウンは、街が世界遺産となっており、イギリス植民地時代のコロニアル様式の建物や、小さな間口の建物が隙間なく並び2階から伸びたひさしで回廊のようにつなっがっている独特の街並みが、異国情緒豊かな雰囲気を醸し出していました。また、土地を持たなかった中華系移民が一族単位で築いたとされる水上住宅群もとても印象的でした。市場でいただいたラクサやホッケンミーといった麺や、レストランでいただいた海鮮料理は、中華系の味付けが多く、おそらくシンガポールなどと近い感じでした。市場では当然ながらクレジットカードは使えないのですが、QRコードとスマホによる電子決済が普及しており、キャッシュレス社会への移行を実感しました。忙しかったオフィスを離れてリフレッシュしつつ、翌日からの航海に備える滞在でした

客船ターミナル 左奥に停泊中の白鳳丸

独特の建築様式の街並み

水上住宅 ジェッティ

市場のお魚

市場のフードコート

いよいよ出港!

「豊潮丸」研究航海2024

6/30-7/3の日程で、広島大学練習船「豊潮丸」による研究航海に乗船しました。広島大学大気海洋化学研究室の竹田教授、岩本准教授が主催する研究航海に加えていただき、瀬戸内海でSMLサンプリングを行いました。当研究室からは、竹内さん、陳さん、岡本さんが乗船しました。また、研究室OBで現在は国立水俣病研究所の主任研究員を務める多田博士と、同室長の丸本博士も同乗していました。SMLサンプルは、広島大学や水俣研チームとシェアしましたので、分析結果が楽しみです。

 

神戸港ポートタワー前の岸壁から乗船

CTD採水

船内のドライ研究室

SMLサンプリング

日本地球惑星科学連合年会&海洋学会フットサル

5/26-31の日程で、日本地球惑星科学連合年会(JpGU2024)が幕張メッセで開催、インド洋セッション、大気海洋生物地球化学セッションで発表しました。初日の夜には恒例の海洋学会フットサルが企画され、秋に続いて今回も30名以上が集まり大変盛況でした。

令和6年度日本水産学会春季大会

博士課程学生のMai Wasselさんのトラフグ腸内細菌叢の研究がかなりまとまってきましたので、 令和6年度日本水産学会春季大会の英語セッションで、その成果を発表しました。同じセッションで、この研究の共同研究者である長崎大学の阪倉教授の研究室からも、Maiさんが菌叢解析に協力した研究の成果発表がありました。まずは最初の成果の論文発表を目指します。

波の花サンプリング2023

今年も12/21-26の日程で波の花のサンプリングに行ってきました。金沢大学角間キャンパスでのワークショップの翌日に能登臨海実験施設に移動しました。翌日は「顕著な大雪」のためにサンプリングを中止、翌々日の12/23にいつもの真浦海岸に向かったところ、まだたくさんの雪が残る海岸に、波の花が積み上がっており、幸先の良いスタートなりました。しかし、続く2日間は波の花はほとんど見られず、海水やエアロゾルサンプルのみを採集し、帰路につくこととなりました。

アジア微生物生態シンポジウム

アジア微生物生態シンポジウム、通称ASME(Asian Symposium on Microbial Ecology)は、日本、韓国、台湾の微生物生態学会が主催するアジア圏の微生物生態研究者ネットワークです。それぞれの国で毎年持ち回りで開催され、今年は日本開催の年でしたので、日本微生物生態学会(JSME)年会に合わせて浜松市で開催されました。博士課程の黄さんが、波の花サンプルのメタゲノム解析と、そこから分離した菌のゲノム解析の結果についてポスター発表しました。

ASMEは、2007年のJSME愛媛大会開催時にISME-Asia としてアジア圏の研究者を集めて開催された国際シンポジウムが始まりです。ISME-Asiaは単発のシンポジウムでしたが、これをきっかけに韓国微生物学会(MSK)およびJSME間でより継続的な交流を行うこととなり、2009年に日韓シンポジウムがスタートしました。2010年に、TSME(Taiwan Society of Microbial Ecology)が設立されたことを受け、翌年から台湾の研究者らも加わり、2013年第5回シンポジウムは初めて台湾で開催されました。2009年にKJシンポジウムとしてスタートし、その後TKJシンポジウムとなり、2016年の第8回からはアジアの国々のより広い参画を目指しASMEと名称を変更して現在に至っています。

2009年当時、学会長だった前教授の木暮先生と一緒に事務局長としてシンポジウムを立ち上げ、その後ASMEとしてスタートするまで組織運営に関わりましたので、現在まで定着している様子を見るにつけ、感慨深いものがありました。さらに大きく発展することを願っています。

インド国立海洋研究所・ゴア大学訪問

インドのゴア州パナジ市にあるNational Institute of Oceanography(NIO)には、かつて微生物分野出身の教授(Dr. Shanta Achuthankutty, https://www.nio.res.in/profile/563)や、客員教授として来られた教授(Dr. Ramaiah Nagappa, https://www.nio.res.in/profile/784/dr-ramaiah-n)がおられ、その後も木暮教授の時代にJSPSの研究員を受け入れるなどして、交流がありました。私もRamaiah先生の招待で2010年と2016年に訪問する機会がありました。また、白鳳丸では2018年にベンガル湾や南インド洋の航海を行い、来年2024年にも南インド洋での航海が予定されていますので、学生のインターンシップの引率で訪印する機会に、ゴアにも訪問して講演や微生物やプランクトンの研究者と共同研究の相談をしてきました。また、かつてポスドクをしていたFernandes博士が教員として働いているゴア大学School of Earth, Ocean and Atmosphere Sciencesも訪問して講演をしてきました。

KH23-3白鳳丸航海(SOLAS-JIPS-PartI)帰港

この航海は、SOLAS-JAPANの活動の一環として、西部北太平洋における大気と海洋の境界面で起こるさまざまな過程を観測して、黄砂に代表される大気からの降下物が海洋生態系に及ぼす影響や、逆に海洋生態系の変化が大気に及ぼす影響を明らかにすることを目的としています。

東京大学を含めて実に12の大学・大学校(長崎大学、広島大学、愛媛大学、金沢大学、京都大学、近畿大学、名古屋大学、明治大学、筑波大学、北海道大学、海上保安大学校)、5つの研究機関(水産研究・教育機構、海洋研究開発機構、国立環境研究所、国立水俣病研究所、気象研究所)からの研究者と大学院生が乗船し、非常に多岐に渡る研究課題でサンプルやデータを収集することができました。特に今回は、同じ観測点に1週間ほど止まることで、時事刻々と変化する生態系の応答を捉える観測ができましたし、通常の航海ではシップタイムを確保することが難しいマイクロレイヤー観測も繰り返し実施することができました。2年後には、春の黄砂の時期に同様の航海SOLAS-JIPS PartIIを実施する予定です

KH23-3白鳳丸航海(SOLAS-JIPS-PartI)

大気海洋相互作用をテーマとした白鳳丸航海(7/2-7/29)がいよいよスタートしました!

前半は気温7度の亜寒帯で5日間の集中観測を実施しました。現在は猛暑の東京に一時寄港中です。明日は、再び後半戦の亜熱帯での観測に向けて出港します。