本航海では昨年の太平洋航海に引き続いて、海水に加えてマイクロレイヤーと大気観測が大きな目的でした。広島大学の岩本洋子先生(大気化学)との共同研究です。大気観測では、アッパーデッキに大気のサンプラーを設置して、フィルターを毎日交換しながら微生物分析用の試料を集めたのですが、フィルター試料があまりに黒いのにびっくり!昨年の太平洋亜熱帯航海では、フィルターはほぼ真っ白だったのに、あまりの違いに唖然…..。同時に測定していたオゾン濃度(大気汚染の指標)も東京都心部並みの値とのこと。観測時の気塊がどこから来ていたのかをモデル計算する後方流跡線解析によると、北からの風に乗って陸地からのエアロゾルが大量に運ばれてきていたようです。土壌細菌とか、カビとか、花粉とか、陸由来のものが大量に検出されるに違いない。海風になる夏場は大丈夫なのかもしれないが、しかしインド洋の大気って……… ちなみに風向が変わる南半球に入ったらフィルターは白くなりました。大気微生物叢の方もかなりドラスティックな変動が見られそうです。