この航海は、SOLAS-JAPANの活動の一環として、西部北太平洋における大気と海洋の境界面で起こるさまざまな過程を観測して、黄砂に代表される大気からの降下物が海洋生態系に及ぼす影響や、逆に海洋生態系の変化が大気に及ぼす影響を明らかにすることを目的としています。
東京大学を含めて実に12の大学・大学校(長崎大学、広島大学、愛媛大学、金沢大学、京都大学、近畿大学、名古屋大学、明治大学、筑波大学、北海道大学、海上保安大学校)、5つの研究機関(水産研究・教育機構、海洋研究開発機構、国立環境研究所、国立水俣病研究所、気象研究所)からの研究者と大学院生が乗船し、非常に多岐に渡る研究課題でサンプルやデータを収集することができました。特に今回は、同じ観測点に1週間ほど止まることで、時事刻々と変化する生態系の応答を捉える観測ができましたし、通常の航海ではシップタイムを確保することが難しいマイクロレイヤー観測も繰り返し実施することができました。2年後には、春の黄砂の時期に同様の航海SOLAS-JIPS PartIIを実施する予定です