経歴
■学歴■
1999年3月 愛媛大学農学部 卒業
2001年3月 愛媛大学農学研究科 修了
2005年3月 北海道大学水産科学研究科 修了
■学位■
2001年3月 修士(農学)愛媛大学
2005年3月 博士(水産科学)北海道大学
■職歴■
2005年4月-2007年3月 愛媛大学沿岸環境科学研究センター COE研究員
2007年4月-2010年3月 日本学術振興会 特別研究員(PD)
2010年4月-2012年9月 水産総合研究センター東北区水産研究所 研究支援職員
2012年10月-2017年9月 東京大学大気海洋研究所 国際沿岸海洋研究センター 特任准教授
2017年10月-現在 東京大学大気海洋研究所 海洋生態系動態部門 准教授
2019年4月-2021年3月 文部科学省研究開発局技術参与(海洋科学技術研究担当)
これまでの研究
津波が三陸沿岸域のプランクトン群集に及ぼした影響とその後の変化に関する研究
動物プランクトンによる摂食が海洋の生物ポンプに及ぼす影響に関する研究
海産キクロプス目カイアシ類(オイトナ科、オンケア科)の生態学的研究
現在の主な研究テーマ
1. 動物プランクトンの休眠と環境適応
海洋の沿岸域では、生物を取り巻く環境は季節的に、あるいはより短い時間スケールで大きく変化します。このような変化に富む環境に対して動物プランクトンはどのように適応しているのでしょうか。沿岸域に生息する一部の動物プランクトンは、生存に不適な時期を克服するために、卵期に休眠することが知られています。私たちは、動物プランクトンの卵休眠に注目し、その季節性や雌の休眠卵生産を誘導する環境条件、休眠卵の生理学的特性などを調べることで、休眠による動物プランクトンの環境適応を明らかにする研究に取り組んでいます。また、動物プランクトンの生活史は、同種であっても地理的に離れた個体群間では異なることが知られていますが、こうした変異が形成された要因や過程についてはほとんど分かっていません。私たちは、動物プランクトンの休眠形質(例えば、休眠率や休眠期間)の種内地理的変異を明らかにし、さらに個体群間の系統関係を調べることで、変異の形成要因や進化的背景を理解することを目指しています。主な調査フィールドは、大槌湾(岩手県)と舞鶴湾(京都府)です。
Acartia属カイアシ類と休眠卵
2. 海洋におけるマイクロプラスチックの動態
プラスチックによる海洋汚染は地球規模での環境問題となっています。海洋に流入したプラスチックは紫外線や物理的な破砕によって微細化し、やがて沈降することで海洋の表層から除去されると考えられていますが、その過程についての理解は進んでいません。私たちは、海表面に浮遊するマイクロプラスチックだけでなく、水柱内や海底堆積物中のマイクロプラスチックの分布を調査することで、海洋におけるマイクロプラスチックの動態を明らかにする研究を進めています。特に、ニューストンネットでは採集できない微細なマイクロプラスチック(<
0.3 mm)に注目し、海水中や堆積物中における分布を定量化する研究に取り組んでいます。また、マイクロプラスチックの沈降に関わる生物過程として、動物プランクトンによるマイクロプラスチックの取り込み(摂食)についての研究も行っています。
ニューストンネットによるプラスチックの採集
所属学会
日本海洋学会
日本プランクトン学会
日本陸水学会